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CROから薬局へ。未経験で薬剤師になるまでの苦悩と成長

田村さんは薬学部を卒業後、新卒でCROに入社しました。ご自身のやりたかった医薬品開発の安全性業務を担当する部署に配属となり、いわゆる世間で言う「激務」ではあったものの、充実した社会人生活を送っていました。

入社から4年後、過酷な長時間労働がたたり、田村さんは体調を崩してしまいます。そのことがきっかけとなり、田村さんは今後のキャリアを見据え、薬剤師として働くことを決意。

初めての転職活動、初めての薬剤師業務を経験するなか、田村さんにとって一番大変だったこととは…

【田村 由紀子さん(仮名)プロフィール】

年齢   :30代前半
性別   :女性
ご住所  :東京都在住
薬剤師歴 :3年
経験者数 :2社

憧れの医薬品開発の仕事と実情

薬剤師の母親からの後押しもあり、薬剤師を目指して薬学部に入学した田村さん。田村さんは5年次の病院実習を通して、薬剤師の他にも薬学の知識を活かした働き方があることを知ったそうです。薬剤師以外の職種にも視野を広げたところ、CROで薬の安全性に関わる仕事をしたいと思うようになり、卒業後、希望していた職場に就職しました。

職場のプロフィール

働き方プロフィール

CRO
入社時の社員数 約300名
退職時の社員数 約600名

勤続期間 4年
年収   550-580万円(退職時
仕事内容 医薬品開発の安全性業務(PV)

 

ー田村さん「医薬品の添付文書の作成など、希望していた業務を任されていました。当時は月に40時間ほど残業をしていましたが、業務内容にはとても満足していました。」

充実した毎日を送っていた田村さんですが、入社して2年が経った時、転機が訪れます。

勤務していたCROで、大手製薬会社の下請けの仕事が始まり、さらに大量の業務を同じ人数で担当しなければならなくなったのです。

田村さんは仕事に忙殺されるようになります。納期を守るため、残業時間は月100時間を超えることも。しかし、80時間以上残業をすると産業医との面談が推奨されるため、80時間以下として申請をしていたそうです。

毎日終電まで働き、土曜日もほとんど出勤をしていた田村さんは、勤務中に2度にもわたり倒れてしまいました。それは入社から4年が経った頃でした。

2度目に倒れた際には家族も心配し、これ以上勤続することは体力的に難しいと判断。田村さんは転職を決意しました。CROでは希望していた業務を任されていたので、退職することに心残りがあったと語ります。

CROから薬剤師へ転職。転職活動で体験したジレンマ

30歳を前に薬剤師としての業務経験も積みたいと考え、田村さんは薬剤師になるべく転職活動を始めました。

田村さんにとって、CROから薬剤師への転職での一番の懸念点は年収だったと振り返ります。

ー田村さん「未経験で薬剤師として就職する際に年収が下がることへの理解はありました。とはいえ、CROでは残業込みで年収が550-580万円はあったので、できるだけ生活水準が下がることは避けたいというのが本音でした。」

転職活動を始めた当初は、教育制度の充実している大手での就職を希望していたそうです。

特に、ある大手企業は、知人から聞く社内の様子が自身の考えと合っていること、企業としての将来性があることから、志望度が高かったと言います。しかし、年収が今より200万円も下がることや、通勤時間が90分にも及ぶ可能性、転居を伴う転勤を考慮し、内定を辞退しました。

そして、中小企業に視野を広げて転職活動を行ったところ、今の薬局に出会いました。

この薬局は転居を伴う転勤が発生しません。また、社会人経験を考慮した上で年収金額を提示してくれたと言います。田村さんは色々と考えた結果、この薬局に就職することを決めました。

「教えてもらう」のではなく、背中を見て学ぶ

薬剤師として新しいキャリアを踏み出した田村さん。勤務初日から驚いたことがありました。それは、薬剤師未経験にも関わらず、初日から調剤・服薬指導を任されたことでした。教育制度の整ったCROを経験した田村さんにとっては驚愕だったと言います。

職場のプロフィール

働き方プロフィール

薬局
店舗数  約10店舗
人員構成 薬剤師10名(パートを含む)

勤務期間 3年(現職)
年収   420万円(残業ほぼ無し)
勤務形態 正社員

その他にも、薬剤師として働くにあたり大変だったことがありました。それは人間関係でした。

ー田村さん「薬剤師さんは職人気質の方が多く、慣れるまでは正直大変でした。ひとりよがりの人もいて、つらかったです。」

薬局では患者さんを待たせることのないよう、業務を分担して進めていきます。しかし、同僚の薬剤師のうち1人は特にチームプレイが苦手で、手を貸そうとすると激怒することもあったそうです。

できるだけ患者さんをお待たせしたくない状況で、業務効率化のための連携を拒まれるので、その方と2人勤務の時間は苦痛だったと振り返ります。

しかし、3ヶ月ほど経って、少しずつ担当できる業務が増えるとともに、周囲からも認められるようになり、人間関係も改善していきました。

ー田村さん「未経験から薬剤師になるにあたって、職人気質な人の多い職場で、認められるのに時間がかかることは念頭に置いた方が良いと思います。私の場合は、自分が薬剤師として成長することが信頼関係を築くことに繋がりました。」

3年間薬局でキャリアを積んだ田村さんは、現在、ステップアップを考えています。現職は、比較的店舗数の少ない薬局チェーンなので、管理薬剤師が辞めるか、新店舗を開局しないかぎり昇進の機会が無いそう。人事も兼任する社長に、キャリアに関する相談にのってもらう機会も多いそうですが、社長自身も経営業務に追われ、人事制度の改善まで手が回っていないようです。田村さんとしては、今後更に薬剤師としてスキルアップしていくため、認定薬剤師などの資格も積極的に取得したいと話します。

未経験で薬剤師として働く場合、大手企業で働くか中小企業で働くかは、薬剤師さんそれぞれの価値観によって選択肢が異なります。

環境も大切な要因ではありますが、その前に薬剤師としてきちんと成長できるか否かについては本人の努力によるところがあるのではないでしょうか。

田村さんのひたむきな努力を目の当たりにし、ますますの活躍を願うばかりです。