(有)正企は1994年に茨城県稲敷郡で創業して以来、10店舗の調剤薬局を運営しています。コロナ禍が落ち着いた昨年は過去最高益を出し、社員数も60人以上となりました。今回は代表取締役の櫻井 克行氏と取締役の櫻井 詩子氏にお話をうかがいました。

代表取締役
櫻井 克行(さくらい かつゆき)氏
取締役/薬剤師
櫻井 詩子(さくらい うたこ)氏
社員を支えるという経営者の仕事
代表取締役の櫻井 克行氏(以下、克行氏)は地元である茨城県に医療という切り口で恩返しをしていきたいと、平成6年に1店舗目である阿見町に店をオープンさせました。その後は奥様である櫻井 詩子氏(以下、詩子氏)と共に二人三脚で事業を拡大し、現在は10店舗の調剤薬局を運営しています。店舗は基本的には外来調剤中心で、店舗によっては個人在宅や施設在宅を受け付けています。

コロナ禍が過ぎてから、多職種連携会議が再開されるようになりました。こういった会議がきっかけで在宅医療の依頼が来ることもあるので、今後は在宅医療に力を入れて行く考えだそうです。
克行氏
「大変な時期もありましたが、これまで取締役である妻と二人三脚でやってきました。誠実に事業を行うために、自分たちの目が届く範囲というのを意識して物事を進めています。
何かあっても最後は私たちがなんとかするというメッセージも込めています。」
2人の目が届く範囲で店舗を展開することで、社員と適切な距離を取ることができます。
社員と直接話す機会が取れるので、社員の要望や不満のヒアリングはもちろん、会社としての要望を伝えるなど、コミュニケーションを密に取ることができるわけです。そのためか退職者は少ないそうで、この点は自慢できることだと話していました。
そして企業理念の一つである「人材は宝なる」という言葉。人は大切にされることで、また誰かを大切に思い、大切に扱うのではないか。社員を大切にすれば、社員は患者さんやその家族、ドクターや他の医療スタッフ等も大切にするのではないか、そんな思いから企業理念に掲げたそうですが、今があるのはこの歯車が上手く回っているからだと言います。
自分たちがまず社員を大切にする。何かがあったら自分達が矢面に立ち、社員を支える。経営者の仕事の中でも特に重要な仕事だと言います。

1日の業務の流れ(阿見店の場合)
| 9:00~12:30 | 調剤業務・服薬指導など |
| 12:30~14:30 | 昼休憩(交代制で1~2人ずつ) |
| 14:30~18:00 | 調剤業務・服薬指導・在宅業務など |
世代交代に向けて、様々なことをアップデート
(有)正企では20年以上勤めている方が多くいらっしゃいます。定年退職者が続くタイミングに向けて、2年~3年前から20~30代の若手を採用し、世代交代を進めています。
詩子氏
「最近試験的に、監査ができる機器を導入しました。当社では2人の薬剤師がダブルチェックしているのですが、機器類があればさらに安心かなと。それに予製を作ったあとのチェックにも使用すれば人為的なミスもかなり防ぐことができると思います。」
そして、患者さん向けの施策でも新しいことを考えていると言います。
当社では、新型コロナウイルスが流行する以前では、健康サポート薬局になっている店舗等を中心に、地域の皆さんや患者さんに向けた健康相談会を開催していました。
新型コロナウイルスが5類となった今だからこそ、患者さんや地域の方のあったらいいなに応える機会を作りたいと考えています。
詩子氏「以前は骨密度や血圧を測定したり、お薬の相談ができたりするようなイベントを開催していました。来場者の半分は患者さんではない地域の方で、100人以上が来場してくださっていました。私自身も茨城県の出身です。こういった会を通して、地域貢献ができたことは嬉しかったですね。コロナ禍も過ぎたので、感染症が少ない暖かい季節になったらまたイベントを開催したいです。」

働く環境:勉強会は週1回。認定薬剤師の資格手当等あり
新型コロナウイルスにより、最近は実施できていませんが、以前は週1回ほど講師を呼んだ社内研修会や、メーカー主催の勉強会を積極的に開催している店舗もありました。社員には勉強会に参加し、最新の技術や情報を学ぶことを今後も続けてほしいと考えているそうです。
そして当社では学ぶ姿勢を大いに評価しており、認定薬剤師の資格取得者には資格手当を出しています。その他にも、薬剤師会など外部で開催される研修会や大学で行われる講座への出席に対しても手当を出しています。
詩子氏
「薬剤師会で発表をしたい、参加したいという希望があった場合は、交通費や遠征費の補助を出しています。発表した内容や参加した感想は社内にもレポートとして皆に共有してもらいます。

採用のポイント:募集するシフトにきちんと対応できるか

基本的なこととしては、募集している時間帯できちんと働けるかということですが、薬剤師という職業柄女性が多いこともあり、どうしても遅い時間までは働けないという方がいらっしゃいます。ですが、人間としてまた薬剤師として素晴らしい方であれば、シフトを工夫して何とか採用できないか考えることもあります。
詩子氏
「既存の、長く働いてくれている社員から不満が出ないかというのはすごく考えています。シフトには早番、遅番を作ったりして、働きやすいと感じられるようにシフトの調整はきちんとするようにしています。」
選考に関しては書類選考後に面接が1回あります。基本的に面接は詩子氏が対応しており、エリアマネジャーや管理部に関しては克行氏も一緒に対応しています。

利益率を高め、働きやすい環境をつくる
まずはむやみに店舗を増やさずに今ある店舗を肉付けしていく、利益率を高めていくことを考えているそうです。門前のドクターと様々なことを話し合いながら、改善すべきことがあれば改善していく予定です。
その他には、電子化に対応できていない部分を電子化したり、建物を作り変えて働きやすい環境に整えたりすることも検討しています。
克行氏
「新型コロナウイルスの影響を受け、一時、売上が厳しい時期もありましたが、全員で力を合わせ、コロナ禍が明けてからは昨年、過去最高益が出ました。こんな状況でも躍進している会社ですので、安心して働けると思います。
そしてうちは地域密着型のファミリーライクな会社です。相談したいことがあればいつでも相談できる環境ですし、個々の要望に関しても落としどころを見つけて解決できるようにしています。元気にのびのびと明るく働ける環境だと思いますよ。」

コンサルタントの目線
ファーマキャリアコンサルタントの村上です。
(有)正企は年商11億円規模の会社で、従業員も60名以上いる中小規模の調剤薬局チェーンです。
完全週休2日で年間休日は127日。夏休みは4日、冬休みは6日あり、有給休暇も取りやすい環境です。さらに確定拠出年金(401k)や退職金制度があり、残業も1分刻みでつき、21時以降の勤務の場合はお弁当が支給されます。同じ規模の他の会社と比べると、各種制度がとても充実している会社です。
お話を聞かせていただく中で、代表と取締役が社員と距離が離れないように普段から様々なことに気を付けていることがよくわかりました。経営サイドもなるべく現場にいるようにしているそうで、何かあればすぐに相談できるようになっています。直属の上司以外にも相談できるのはありがたいことですよね。
新型コロナウイルスやインフルエンザの影響により、最近はあまり開催できていませんが、以前は、社内の親睦を深めるために食事会を開催したり、表彰制度を設けたりしていたそうです。
こういったところからも人との距離に気を配り、コミュニケーションを絶やさない姿勢がうかがえます。会社の制度だけでなく、メンタル面のフォローも抜かりないことから、長く勤められる会社ではないかと思いました。
安定した会社に勤めたい、距離のある転勤を避けたい、管理薬剤師以外のポジションも経験したいといったご希望の方はぜひ一度、お話を伺ってみてはいかがでしょうか?

有限会社正企のデータ
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● 有限会社正企 ● 所在地 茨城県土浦市乙戸南1-17-12 ● 創立年 1994年 ● 従業員数 62名(パート含む) ● 平均年齢 48歳 ● 男女比 1:12 ● 採用実績校 千葉大学、広島大学、東邦大学、星薬科大学、昭和大学、北里大学、東京薬科大学、いわき明星大学、武蔵野大学など (2024年3月現在) |