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薬剤師が知っておきたいマナー

みなさんは患者さんに薬局や病院を気持ちよく利用してもらうためにどのような工夫をしていますか?また、卸さんやメーカーの担当者さんと良い関係を築くために心がけていることはありますか?患者さんや取引先の方に気持ちよく来局していただくには良いマナーが基本となります。 薬剤師の仕事は対人業務が多く、接客業と言っても過言ではない一方で、マナーについて学ぶ場面はあまりないのではないでしょうか? 今回のコラムでは、薬剤師が知っておきたいマナーについて取り上げたいと思います。

お会計時のマナー

① お会計金額の伝え方

×「~円になります。」

お会計金額を伝える際に、「~円になります。」というフレーズを耳にすることがあると思いますが、この言い方は適切ではありませんので注意しましょう。 〇「お会計は~円でございます。」「お薬代は~円でございます。」

② お金をお預かりする時

×「~円からお預かりします。」

お金をお預かりする際に「~円からお預かりします。」といったフレーズを耳にすることがありますが、このフレーズは間違いですので気を付けましょう。 お金をお預かりする際は、患者さんが出す金額によって表現が異なります。 お釣りが発生する場合→〇「~円、お預かりします。」 ちょうどの金額でのお支払いの場合→〇「~円ちょうど、頂戴します。」 患者さんがお金を多めに出しお釣りが発生する場合は、一時的に多めにお金を預かることになるので、「お預かりします。」となります。一方、ちょうどの金額である場合は、そのまま頂戴することになりますので、「頂戴します。」が正しい表現になります。 患者さんの出す金額によってフレーズが異なりますので注意しましょう。

取引先との対応

調剤薬局では、卸さんやメーカーの担当者などの取引先の訪問があることも多いと思います。その時の挨拶も間違いやすい点がありますので、整理してみましょう。 ×「お疲れ様です。」 お疲れ様は、上司、同僚、部下など多くの方に使える表現ですが、取引先など社外の人に使うのは不適切な表現です。社内の人に使う言葉と覚えておきましょう。 ×「ご苦労様です。」 「ご苦労様です。」は目上の人から目下の人に使う表現です。そのため、取引先への挨拶には不適切な表現ですので、注意しましょう。 〇「お世話になっております。」 取引先など、社外の方への表現で安心して使えるフレーズです。まだ取引がなく、これからお世話になる場合には「お世話になります。」というようにしてみましょう。 尚、似た表現として「お世話様です。」というフレーズがありますが、こちらは目上の人から目下の人に使うフレーズで不適切ですので注意しましょう。

電話応対時のマナー

〇「お電話ありがとうございます。~薬局、~でございます。」 〇「大変お待たせいたしました。~薬局、~でございます。」 電話に出るときは、薬局名と自分の名前を相手に伝えるようにしましょう。出たときのシチュエーションごとに「お電話ありがとうございます。」「大変お待たせいたしました。」などの表現を添えるとより良いですね。 その後、相手もご自身の名前を名乗ってくれた場合はメモを取り、「〇〇会社の〇〇さんでいらっしゃいますね。」と復唱し確認をしましょう。相手が名乗らない場合は「まことに恐れ入りますが、お名前をうかがってもよろしいでしょうか。」など、お名前をうかがいます。 患者さんからの問い合わせなどの場合は、薬歴を確認する必要があるので生年月日も合わせて確認するようにしましょう。

~電話対応で注意したいポイント~

社外の方と話すときは、身内の人を敬称抜き、敬語抜きで話します。 ×「ただいま~さんは、投薬中です。」 〇「ただいま~は、投薬中です。」 社外の方と会話する時は、社内の人のことは目上の人であっても呼び捨てにするのがマナーですので、気を付けましょう。

~相手の声が小さくて聞こえづらいとき~

相手の声が聞こえづらいとき、電話での会話ではよくありますよね。その時に、直に「聞こえない」と伝えるのは好ましくありません。「申し訳ございません、お電話が遠いようでございます。」などと伝えるのが良いでしょう。 電話が遠いことを伝えても、なお聞こえづらいときは「申し訳ございません。お電話が遠いようなので、いったん切らせていただきます。」と伝え、かけ直しましょう。

~意外と難しい…電話の切り方~

ビジネスマナーでは、電話をかけた方が先に切るのが基本です。先に切る場合は「失礼します。」と声掛けした上で、優しく受話器を置きましょう。 ただし相手が患者さんの場合は、相手が切ったのを確認してから切るようにした方が良いでしょう。

手紙の書き方

薬局で勤務していると、病院や、病院の先生に手紙やFAXを送る場面もありますよね。そういった場面でのマナーも確認してみましょう。

~宛名の敬称の使い分け~

個人→様 組織や団体→御中 医師→〇〇先生 御侍史(おんじし)    〇〇先生 御机下(ごきかorおんきか)

医師への宛名は、このように最後に脇付(わきづけ)と呼ばれる御侍史、または御机下という敬称を付けるのが通例となっています。 医師への宛名として「先生」という敬称だけでも十分である場合もありますが、御侍史などの脇付を付けることによって、一層尊敬の意味を込めることができます。

覚えておきたいクッション言葉

クッション言葉とは、そのまま伝えてしまうときつい印象や不快感を与える恐れがあることを、やわらかく伝えるために前置きとして添える言葉です。さまざまな場面で使えますので、覚えておくと良いでしょう。

~依頼するときに使えるクッション言葉~

・恐れ入りますが ・お忙しい中恐縮ですが ・お手数をおかけいたしますが

医師に疑義照会を行うときには、「お忙しい中恐縮ですが、処方箋について確認させていただきたい点がございます」などと前置きをすると、丁寧な印象を与えられます。

~断るときに使えるクッション言葉~

・申し訳ございませんが ・あいにくですが ・残念ですが

処方薬の在庫がなく患者さんにお渡しできないときには、「誠に申し訳ございませんが、こちらのお薬は当店に在庫がないお薬ですので、すぐにお渡しすることができかねてしまいます」など、相手を不快にさせないように申し訳ない気持ちを伝えることが大切です。

~相手の都合を尋ねるときや提案を行うときに使えるクッション言葉~

・差し支えなければ ・もしよろしければ ・ご迷惑でなければ

患者さんのプライバシーに関わることなど、少し聞きにくいことを尋ねるときに、「もしよろしければ症状について詳しくお伺いしたいのですが」とすると、より丁寧に伝えることができます。

~反論するときに使えるクッション言葉~

・申し上げにくいのですが ・お言葉を返すようですが ・出過ぎたことを申しますが

上司や取引先の間違いを指摘するときは、「申し上げにくいのですが、〇〇は△△ではないかと思うのですが…」とすると、角を立てずに伝えることができます。

マナーに注意してよりよい接客を

患者さんに薬局を気持ちよく利用してもらうためにも、マナーを学ぶことは大切です。また、取引先と良い関係性を築いて、気持ちよく働いていくためにも重要となります。 慣れるまで時間がかかることもありますが、日々の業務で注意していくことで、自然にできるようになってくるでしょう。 一方で、患者さんとの会話のときは、少しくだけた話し方の方が良い場合もあります。その場合は臨機応変に対応できるといいですね。 また、接客や対人業務では、今回挙げたようなマナーも大切ですが、笑顔、聞き取りやすい声、身だしなみなど基本的な要素も非常に重要となります。今一度確認してみましょう。

参考: 店舗運営応援コラム(CASIO) https://web.casio.jp/ecr/ble/column/014.html 「お疲れ様です」は上司や目上の人に使ったら失礼?「ご苦労様」との違いも解説(Chatwork 2023/9/6) https://go.chatwork.com/ja/column/business_chat/business-chat-250.html 「お世話になっております」は正しい敬語?目上の人への使い方を例文で解説(Chatwork 2023/9/4) https://go.chatwork.com/ja/column/business_chat/business-chat-317.html 医師への宛名書き|病院の先生に手紙を送るときの正しい敬称(ヨセミテ) https://yosemi-7.com/post-59680 電話応対で相手の声が聞こえない場合(マナー事典) https://www.j-manner.com/business/cat63/post-38.html クッション言葉とは?クッション言葉の一覧と役立つ場面例(Chatwork) https://go.chatwork.com/ja/column/business_chat/business-chat-144.html

この記事を書いた人

ナナ この筆者の記事一覧

東北大学薬学部卒業。調剤薬局で正社員、派遣、パートとさまざまな働き方を経験。現在もママ薬剤師としてパート勤務を続ける傍らライターとして記事の執筆も行っている。

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