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一包化の理由は薬歴に記載すべし!頭書きも個別指導の対象に…

皆さんご存じのとおり、2022年度の調剤報酬改定では「一包化加算」が「外来服薬支援料2」として新しくなりました。日数に対する点数は従来と同様ですが、これまで調剤技術料(調剤料)に分類されていた一包化は外来服薬支援料(薬学管理料)として改められ、算定要件に「必要な服薬指導を行う」という文言が追加されました。では、実際の薬局業務はどう変わったのでしょうか。

調剤報酬点数表から読み取れること

まずは調剤報酬点数表の記載から見ていきましょう。

《旧・一包化加算》 2剤以上の内服薬または1剤で3種類以上の内服薬を服用時点ごとに一包化を行った場合には、一包化加算として、当該内服薬の投与日数に応じ、所定点数に加算する。 《新・外来服薬支援料2》 多種類の薬剤を投与されている患者または自ら被包を開いて薬剤を服用することが困難な患者に対して、当該薬剤を処方した保険医に当該薬剤の治療上の必要性及び服薬管理に係る支援の必要性の了解を得た上で、2剤以上の内服薬または1剤で3種類以上の内服薬の服用時点ごとの一包化および必要な服薬指導を行い、かつ、患者の服薬管理を支援した場合に、当該内服薬の投与日数に応じて算定する。

2022年の診療報酬改定で、一包化加算は外来服薬支援料2に名称が変わり、新しく薬学管理料として分類されたことに伴い、調剤技術としての一包化だけでなく、薬剤師による服薬指導・服薬管理が明確に求められるようになりました。では、具体的に何をしたらいいのでしょうか。「調剤報酬点数表に関する事項」の補足を参考に考えてみましょう。

(4)薬剤師が一包化の必要を認め、医師の了解を得た後に一包化を行った場合は、その旨および一包化の理由を薬剤服用歴等に記載する。 (5)患者の服薬管理を支援するため、一包化した場合には必要な服薬指導を行った上で、調剤後も患者の服用薬や服薬状況に関する情報等を把握し、必要に応じ処方医に情報提供する。

―別添「調剤報酬点数表に関する事項」の項「外来服薬支援2」より

これによると、薬剤師は、(1)服薬管理上の問題を解決する方法として一包化が適切なのかアセスメントを行い、(2)処方医に情報提供し一包化の了承を得た上で、(3)一包化することになった経緯と理由を薬歴に記載する必要があると言えそうです。

薬剤師による一包化のアセスメント

では、一包化の必要性はどのように検討・評価すればいいのでしょうか。

出典:資料「調剤(その3)」令和3年11月26日(中央社会保険医療協議会)

中央社会保険医療協議会で示された資料では、「一包化が必要な患者像」と「一包化したほうがいい患者像」の例が挙げられています。例えば、薬の包装(PTP等)を適切に扱うことが難しい患者さんや、自身での服薬管理が十分にできない患者さんなど、身体的障害や疾患等の影響により服薬上の問題がある場合は、誰の目から見ても明らかに「一包化が必要」と判断できますが、薬剤師としてのアセスメントが重要なのは、服薬アドヒアランスに問題が生じていると考えられる患者さんです。 「この患者さんはアドヒアランスが悪いかもしれない…」と感じたら、一度余っている薬をすべて持ってきてもらうと状況をつかみやすいと思います。残薬を確認することで、服薬上の問題点がはっきりするので、説得力を持って医師に提案できるはずです。

例) ・朝は忘れず飲めているが夕は忘れがち ・1回2錠飲むべきところを1錠で飲んでしまっている日が度々ある ・隔日服用がうまく管理できていない ・他の薬と比べて明らかに余っている薬がある(飲めない理由がある) ・1錠ずつ切り取られた薬が複数種類混ざってしまっている など

ただし、一包化は上の表に書かれている留意点のほか、費用や待ち時間の増加など、患者さんの負担が増える側面もあります。患者さんやご家族から詳しく話を聞き取り、アドヒアランス改善のために一包化が本当に適切な方法なのかをよく相談しましょう。患者さんにしっかり納得していただいた上で、医師への情報提供を行ってください!

個別指導にも対応できる薬歴の書き方

さて、それでは本題です。2022年度の調剤報酬改定により、薬剤師が一包化の必要性を判断し、医師の了解を得た上で一包化をする際は、調剤録に医師からの指示を記載するだけでなく、薬歴にも一包化が必要な理由を書き記しておく必要があることが明確になりました。 一包化初回の薬歴には、導入することになった経緯と薬学的アセスメントを記載し、2回目以降も確認できるよう、頭書きにも転記しましょう。大事なのは、誰が見ても一目でその患者さんの情報がわかるように記載しておくことです。 記載例)

S)患者さん・ご家族から聞き取った内容(一包化の必要性に関わる部分) O)残薬の数 A)服薬上の問題点の洗い出し、一包化が適切である根拠、初回一包化の対応内容、今後のアドヒアランス改善見込みなど P)次回の確認事項(残薬の確認、一包化により問題が生じていないか聞き取りなど) 頭書き:〇〇の理由により服薬継続への支障が懸念されるため、服薬アドヒアランス向上を目的に、X年X月X日~医師の指示により一包化

冒頭で紹介したように、2022年度調剤報酬改定から、一包化は薬学管理上の「外来服薬支援」という位置付けに改められています。よって、“一包化して解決”ではなく、患者さん個々の状況に合わせた服薬指導と、その後の継続的なフォローアップまでがセットということです。ぜひこれを機に、薬歴の書き方と服薬フォローについて見直してみてください!

一包化後のフォローアップが功を奏した事例

私が個人在宅をやっていた時、一包化をしているのに服薬アドヒアランスがなかなか改善されない神経疾患の患者さんと出会いました。日付入りの一包化をして、用法ごとにユニパックに分けて渡していましたが、訪問するたびに残薬の数や日付がずれており、前任薬剤師からは「自己管理ができていない」という評価を受けていました。しかし、私が関わり始めてからゆっくりと話を聞いていくと、年齢の割に認知機能はしっかりしていると感じ、疾患による手の不自由さに対して配薬方法が適切ではないのかもしれないという問題点に気付きました。 その患者さんは少し頑固で、当初は「自分でできるから」とお薬カレンダーを嫌がっていたのですが、必要性を強く感じたため、ご自宅に現物を持参して丁寧に説明したところ、その有用性を受け入れ、意外とすんなりと導入に至りました。驚くことに、カレンダーの設置後は一度も飲み忘れや飲み間違いをすることなく、患者さんにも非常に喜んでいただきました。それからは行くたびに私の名前を呼んでお礼を伝えてくれて、今でも忘れられない患者さんの1人です。こういった対人業務にも力を入れられる薬剤師が、これからもっと増えることを願っています! 2023/11/30 誤解を招く表現があるとのご連絡をいただき、本文内容の一部を修正いたしました。 ご指摘ありがとうございました。

この記事を書いた人

堀間 莉穂この筆者の記事一覧

新卒から3年間調剤薬局で勤めた後、一時薬剤師をお休みして医療系Webメディアの編集者に転職。その間約4年半、クリニックや在宅専門薬局でのリハビリ期間を経て、2022年秋からフルタイム薬剤師に復帰した。仕事外では多職種コミュニティ『メディッコ』でメディア運営を担う。趣味は旅行、フルート演奏、美味しい日本酒探しなど。

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