新型コロナの核酸を用いた治療薬 福岡県とボナックが共同開発

 

福岡県と同県久留米市のバイオベンチャー「ボナック」は、核酸を用いた新型コロナウイルスの治療薬を共同研究すると発表しました。2021年に動物実験をし、22年にも患者へ投与し、実用化を目指すとのことです。

ボナックによると、核酸が新型コロナ遺伝子を分解しウイルス増殖を防ぐとのことで、剤型は吸入剤となるとのこと。患部の肺に直接作用するため、副作用が少ないといいます。
核酸医薬品の場合、今後新興ウイルス感染症が発生した場合でも、核酸の配列を変えることにより短期間で新薬の開発が可能となるそうです。
核酸を用いた新型コロナウイルス治療薬は同社を含めて世界で3社が開発中とのことです。

参考: 新型コロナ治療薬、22年実用化へ 福岡県とバイオVBのボナックが共同開発(SankeiBiz 2020/5/27)
http://www.sankeibiz.jp/business/news/200527/bsc2005270500006-n1.htm

 

ボナックは今回の新型コロナ薬開発に、米国で治験をしている特発性肺線維症の核酸医薬品の開発に用いた技術を応用するとのことです。
コロナウイルスはRNAウイルスであり、人の細胞に侵入してRNAを複製して増殖します。今回開発を目指す核酸医薬品は、このRNAの一部の領域に結合することで増殖を抑制するとのことです。
新型コロナウイルスは今後変異する可能性もありますし、すでに数百の変異が起きているとする研究結果も報告されています。核酸医薬品の治療薬の場合、核酸の配列を変えることで、このような変異したウイルスにも短期間で対応することができそうなので、その点でも開発の成功が望まれます。
来年には動物実験を始める見通しとのことで、今後の報道にも注目していきたいと思います。

参考:
【HP先行公開】ボナック コロナ向け核酸医薬開発 住化も原薬で協力(化学工業日報2020/5/18)
https://www.chemicaldaily.co.jp/ボナック%e3%80%80コロナ向け核酸医薬開発%e3%80%80住化も原薬/

新型ウイルスに数百の変異、影響はいまだ不明=英米研究(BBC NEWS JAPAN 2020/5/7)
https://www.bbc.com/japanese/52569117

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国立大学薬学部卒業。調剤薬局にて正社員、派遣の勤務を経て出産。現在は子育てをしながらパート勤務中のママ薬剤師です。

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