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アクテムラが新型コロナに有効か 量子科学技術研究開発機構

 

量子科学技術研究開発機構の平野敏夫理事長は、新型コロナウイルスにより肺炎が重症化し急性呼吸器不全に至るのは、免疫の過剰防衛反応の可能性があるとして、インターロイキン6を標的にする薬で治療できる可能性があると発表しました。
インターロイキン6は大阪大学の岸本忠三名誉教授が発見した免疫機能に作用するサイトカインです。
免疫機能が過剰防衛を起こして、「サイトカインストーム」を起こすメカニズムを分析したところ、気管支や肺の8割を占める肺胞細胞などに存在するインターロイキン6が活性化して、炎症性物質を異常分泌させる可能性があることを突き止めました。
さらに、このインターロイキン6の暴走を阻害する薬で、新型コロナウイルスによる肺炎症状を治療できる可能性があると指摘しています。
インターロイキン6の働きを抑える薬は「アクテムラ(一般名:トシリズマブ)」を既に中外製薬が開発しており、関節リウマチなどの治療に現在使われています。
アクテムラの新型コロナウイルス肺炎に対する作用について、現在臨床試験がすすめられているほか、スイスや米国など海外でも治験を行っているとのことです。

参考: 新型コロナ「免疫暴走を起こすインターロイキン6を止めろ」リウマチ治療薬に期待(ハザードラボ2020/4/17)
https://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/3/3/33815.html

 

新型コロナウイルスの治療薬として検討されている薬は新型コロナウイルスを抑制する作用機序として考えられているものが多いですが、今回のアクテムラは、重度の肺炎症状を抑える作用機序の薬ということになりますね。
記事に出ている「サイトカインストーム」とは文字通りですが、サイトカインが過剰に作られてしまう状態のことで、免疫が暴走してしまっている状態のことをいいます。1918~19年にかけて世界的に流行したスペイン風邪で、青年層に被害者が多かった原因がサイトカインストームによるものと考えられています。
新型コロナウイルス感染症においても、若い人で肺炎症状が重症化することがありますが、これもサイトカインストームが起きてしまった場合と考えることができるかもしれません。
肺炎症状の重症化を抑える薬があれば、致死率も改善することが見込まれるため、スムーズに臨床試験が進むと良いですね。
今後の報告にも注目していきたいと思います。