イナビル・リレンザ避ける動きも インフル吸入薬の服薬指導でコロナ感染リス

インフルエンザ流行期を前に、吸入するタイプの治療薬(イナビル・リレンザ)の使用を避ける動きが出てきています。インフルエンザと診断された患者が新型コロナウイルスに感染していた場合、服薬指導時の吸入でせき込んで、医療従事者などの感染リスクが高まる懸念があるためです。
新型コロナ流行時のインフルエンザ吸入薬の使用をめぐっては、今年の春時点で吸入薬を控える動きをとっていた所もありました。薬剤師会によっては、吸入薬を避け代替薬の処方をしてもらうよう医師会に提案・要望しているところもあります。
インフルエンザと新型コロナは症状が見分けづらく、安全確保のため同様の動きは広がりそうです。

参考: インフル吸入薬、飛沫でコロナ懸念 医療現場「使用避けて」(日本経済新聞2020/9/9)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO63597710Y0A900C2LKA000/

インフルエンザの治療薬はたいていインフルエンザの検査で陽性が出た場合に処方されるケースが多いですが、インフルエンザ陽性の患者さんが新型コロナを併発しているという場合が今年の冬は少なからずありそうです。
確かにインフルエンザの吸入薬イナビル・リレンザは吸入指導に時間がかかります。イナビルは1度で使い切ることができる製剤であるため、患者さんが希望する場合、薬局で8回(10歳未満は4回)吸入して使いきってもらうことが多いのではないでしょうか。リレンザの場合も早く1度目を吸入した方が良いため、服薬指導をしながら1度目の吸入(2回)を薬局内でしてもらうことが多いと思います。
複数回の吸入になるため、吸入時に咳き込むことは多く、薬剤師は今までもインフルエンザ等の感染リスクを負いながら服薬指導をしていたと言えるでしょう。
また、咳き込むときの飛沫もそうですが、吸入薬の服薬指導時、患者さんが口にくわえた吸入器を薬剤師が操作するので、その時に誤って唾液が手につき、そこから感染が広がる可能性もあるかもしれません。
薬局内の患者さんや薬剤師、従業員を守るために、インフルエンザ治療薬の選択に指針が示されることを切に願います。
 

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国立大学薬学部卒業。調剤薬局にて正社員、派遣の勤務を経て出産。現在は子育てをしながらパート勤務中のママ薬剤師です。

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