ママ薬剤師の働き方 ~パート勤務のパターン別メリット・デメリット~

ママ薬剤師は仕事に加え、子供の世話や家事も通常通りこなさなくてはなりません。当然家庭ごとの様々な事情を考慮して、勤務時間を考える必要があります。
前回の記事『ママ薬剤師の働き方 ~自分はどれだけ働ける?勤務スケジュールのチェックポイント~』では、勤務スケジュールを考えるにあたって確認すべきポイントをご紹介しました。今回の記事では、子育てをしながら勤務してきた経験を踏まえて、具体的な勤務パターンについてのメリット・デメリット・注意点などを紹介します。
 

 

知っておきたい待遇面~社会保険加入?それとも扶養?~

まずは待遇面についてみていきたいと思います。
ママ薬剤師として働く場合、条件を満たせば社会保険に加入することもできますし、配偶者の扶養に入ることも可能です。
社会保険加入や配偶者の扶養に入るのには、勤務時間数などそれぞれ条件があります。
それぞれの条件について確認していきましょう。
 

社会保険に加入したいなら?

パート勤務でも社会保険に加入することが可能です。具体的には以下のAまたはBの条件を満たすことが必要です。

社会保険加入の条件

A 勤務時間および日数が、正社員の4分の3以上であること
(一般的には、所定労働時間が週30時間以上)
もしくは


B 以下の5つの条件を満たしているとき
1.従業員501名以上(社会保険の対象となっている従業員数)の勤務先で働いていること。
  もしくは、従業員500名以下でも労使で合意がなされた場合
2.週の所定労働時間が20時間以上であること
3.賃金月額が月88,000円以上であること
4.1年以上の雇用が見込まれること
5.学生でないこと(※夜間・通信・定時制の方は対象)

となっています。
社会保険に加入しない場合、扶養に入れない場合は国民健康保険・国民年金に加入することになります。社会保険に加入できる勤務時間にするかどうか迷う方はこちらの条件も確認しておきましょう。

配偶者の扶養に入るなら?

収入を一定以下に抑えるようにすれば、配偶者の扶養に入ることができます。
社会保険上の扶養と税制上の扶養で、加入できる条件が異なります。
薬剤師が扶養内で働く場合、かなり就業日数を抑える必要があります。
扶養内で働くことを希望される方は、条件についてしっかり確認しておきましょう。残業を多少することも考慮する必要があります。少し余白をもたせておくことを忘れずに。

子育て目線!勤務パターン別メリット・デメリット

働ける時間や待遇面の希望が決まったら、実際の勤務スケジュールを考えていきましょう。ここからは、ママ薬剤師の1日の勤務時間と1週間のスケジュール事例を紹介します。

パターン1 ~1日6〜7時間 週5日で働く~

産休育休前に働いていた職場に正社員として復帰する場合、時短勤務の方はこのスタイルが多いと思います。もちろんパートでもこのスタイルで働くことが可能です。このケースの場合、夕方16時〜17時に仕事が終わり、そのまま保育園にお迎えに行く流れになると思います。子供がいる薬剤師は土日休みを希望することが多いと思いますが、その場合平日5連勤になるので体力に自信のない薬剤師さんは少しつらいかもしれません。
この時間数であれば、中小の会社でも社会保険に加入することができるため、社会保険加入希望の方にはお勧めの働き方です。

パターン2 ~1日6〜7時間 週4日で働く~

このケースの場合、土日休みでも平日に1日休みがあるので、平日休みの日に掃除などの家事をすることができます。実際土日が休みでも、子供がいるとなかなか掃除をするのは難しいのが実情です。それもありますし、ママ薬剤師にとって土日は休みではありません。むしろ、「土日の方が疲れる…」と言っても過言ではないくらい子供と遊ぶのは疲れます。
平日に休みがあると、完全にオフの日が作れるので、純粋に休むことができ、かなりのメリットと言えるでしょう。(平日仕事が休みの日でも保育園が子供を預かってくれる場合に限るので、保育園に関しても確認が必要です)
この勤務パターンは、大きい企業(501人以上)なら社会保険に加入できますが、中小ですと加入できない会社が多そうです。この働き方を希望していて社会保険に入りたい方は、大手の薬局中心に探されることをお勧めします。

パターン3 ~午前中だけ 週4日や週5日で働く~

このケースですと、お昼休憩をはさまない勤務になるのでお弁当などお昼の準備が不要になる点でも楽ですし、午後家事などをこなしたり休んだりする時間を確保できます。(これも、短時間勤務でも保育園が夕方まで預かってくれる場合に限るので、保育園に関しても確認が必要です)
夜ご飯を食べさせたり、お風呂に入れたりなど夜のママの仕事は重労働なので、その前に少し休憩が入れられるのは大きなメリットかと思います。
とはいえ、午前中はママ薬剤師にとって人気の時間帯でもあり、午前中のみの求人は少ないというのが現状です。この希望条件で探すとなかなか見つからない可能性があるので、他のパターンも同時に検討することをお勧めします。
また、この働き方の場合は社会保険に入れないと働き損になる年収帯があるので注意が必要です。大きい企業や対象の企業で週20時間以上の勤務が条件ですので、1日4時間週5日もしくは1日5時間週4日あれば社会保険に加入できます。

パターン4 ~午前中だけ 週2日働く~

このケースは、勤務時間を抑えて扶養内で働くことができます。勤務日数が少なく保育園には入りづらくなりますので、幼稚園ママさんにお勧めの働き方です。また、働き方によっては所得税や住民税が免除になるだけでなく、扶養者の支払う所得税を安くすることができます。

時給2000円の場合
1日4時間×2000円×2日×52週(1年)=832,000
となりますので103万円以内となり、扶養内勤務が可能です。

人気の午前中勤務となるので求人の募集は少なく、転職では求人を見つけるのに苦労しそうです。出産前に働いていた職場に、子どもが大きくなったら勤務時間を延ばすことを前提にお願いするなど、一時的な勤務スタイルとして相談するのがよさそうです。

パターン5 ~土曜日だけ働く~

このケースは保育園に預けずに働くスタイルです。旦那さんが土日休みのお仕事をしていて、旦那さんに土曜日だけ預けて出勤するといったパターンが考えられます。土曜日の勤務は時給が高い場合が多いので、その点でも効率が良いですし、保育園を利用しないので保育料の出費もありません。こちらのケースも扶養内での勤務が可能です。
ただ、旦那さんのお仕事が忙しくて平日ワンオペの場合、土曜日には疲れが溜まっている状態での仕事となり大変かもしれません。


迷うなら少し余裕を持ったスタートがおススメ

ここまで、パートで働く場合の待遇面やママ薬剤師の働くパターンについて見てきました。
子育てには色々な時期があり、働くことに使える時間は子供の年齢によって変わります。薬剤師であればパートという道があり、その時々で勤務時間を変えて働くことが可能です。
とは言っても短くするというのはやはり言いづらいもの。まずは短めの勤務から始めて徐々に伸ばしていく方が、あまり失敗が起きないように思います。
子育てには想定外が付き物。少し余裕のあるスケジュールで勤務条件を考えてみましょう。
自分の希望する勤務条件に合う理想の職場に出会えると良いですね。


参考:
パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象が広がっています。(政府広報オンライン)
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201607/2.html

2020年版│扶養範囲を外れないパートの働き方は?社会保険・税金扶養内の条件(130・150万など年収の壁)
https://townwork.net/magazine/knowhow/sinsurance/34479/
 

前回の記事

ママ薬剤師の働き方 ~自分はどれだけ働ける? 勤務スケジュールのチェックポイント~

ママ薬剤師として働く場合、調剤薬局やドラッグストアではパート採用があり、職場との折り合いがつけば自分の働きたい時間だけ働くことが可能です。 パート薬剤師として職場復帰や転職をする場合、どのようなスケジュールで働くのが良いのでしょうか?...

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この記事を書いた人

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国立大学薬学部卒業。調剤薬局にて正社員、派遣の勤務を経て出産。現在は子育てをしながらパート勤務中のママ薬剤師です。

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