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薬剤耐性菌で死亡者8000人。国内推計初めて

 

国立国際医療研究センター病院(東京)などの研究チームは、薬剤耐性菌によって2017年に国内で8000人以上が死亡したとの推計を発表しました。
全国の協力医療機関から集められたデータを基に、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)とフルオロキノロン耐性大腸菌による菌血症の患者数を算出し、死者数を推計したとのことで、この結果11~17年の死者数は年約7400~8100人に上りました。17年の推定死者数はMRSAが4224人で11年から減少傾向がみられ、フルオロキノロン耐性大腸菌は3915人で右肩上がりでした。
薬剤耐性菌による死亡者は米国では年間35000人以上、欧州で33000人が死亡しているとの推計が発表されていますが、日本での推計は今回が初めてとなります。 MRSAの死者数の減少は抗生物質の適正使用を推進する病院を優遇するなどしてきた国の薬剤耐性菌対策の成果だと薬剤耐性菌対策に詳しい三鴨広繁・愛知医大教授はみています。 一方でフルオロキノロン耐性大腸菌の死者数は増加しており、他の菌の影響も合わせれば死者数は1万人を超える可能性もあります。医師が治療に使う際の薬の選択の在り方について、議論していく必要がありそうです。

参考:薬剤耐性菌で年8000人死亡 国内で初推計、影響深刻”(2019年12月5日 日本経済新聞)
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO52980390V01C19A2000000/

 

前々から問題提起されている薬剤耐性菌ですが、死亡者がすでに8000人以上にのぼっているとは驚きですね。2050年にはがんによる死亡者数を超えるのではないかとも言われています。
耐性菌による死亡者が増え続けているフルオロキノロン系は交差耐性(一つの抗生剤の使用で他の抗生剤にも耐性ができること)があるため、耐性化が急速に進むのではと懸念されていました。一方で、スペクトルが広く効果が出やすいため、様々な診療科の外来で処方されており、風邪などの軽症疾患でも用いられている現状があります。
これ以上薬剤耐性菌による死者を増やさないためにも、軽症疾患では抗生剤の使用を制限するなどの対策が必要になってくるかもしれません。小児に対しては「小児抗菌薬適正使用支援加算」がすでに設けられていますが、これを成人にも広げるなどの措置が必要になってくるでしょうか。
今後の報道に注目していきたいですね。