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小児・産科医療のスペシャリストが育つ場所<国立成育医療研究センター>

病院と研究所が一体となり、健全な次世代を育成するための医療と研究を促進することを理念に創設された、成育医療研究センター。創設以来、小児・産科医療での高度先進医療の開発と提供を行いながら、世界TOP10に入る小児病院を目指しています。
今回は薬剤部部長の山谷明正先生に、薬剤部の仕事と今後の取り組み、そして採用についてお話しを伺いました。

 

国立成育医療研究センター薬剤部部長 山谷明正氏

薬剤部部長 山谷明正氏

国立成育医療研究センター薬剤部部長
北陸大学薬学部、北陸大学大学院卒(薬学博士号取得)。
国立療養所石川病院入局後、独立行政法人医薬品医療機器総合機構、国立病院機構本部 医療部医療課薬事専門職などを経て、2018年より現職。

 

チーム医療は医療の要に。小児ならではの繊細な業務も

国立成育医療研究センターは小児・周産期に特化した病院です。そのため、内服薬や外用薬などの調剤業務、注射薬の調剤はもちろん、抗がん剤やTPN製剤などの無菌調整においては細かく複雑な作業が多くあります。さらに小児特有の特殊製剤の対応も必須です。
各病棟で病棟薬剤業務を実施しており、PICU(小児集中治療室)やNICU(新生児集中治療室)にも薬剤師を常駐し、薬剤の投与量の調整やTDMによる質の高い医療を提供しています。そして、服薬指導に関しては特に力を入れ、医師や看護師と共にチーム医療で患者さんを支えています。

山谷先生「小児がんセンターのレジメン管理については薬剤師が深く関与しています。国内外から入手した情報の有効性や安全性について評価しながら、既存のレジメンや新しく登録されたレジメンの管理などを行っています。」

その他にも、感染症科との協力体制も欠かせません。小児は薬剤容量の設定が難しいため、特に抗生物質に関しては薬物濃度の測定を行い、それぞれの患者さんに合わせた投与量の設計を行っています。他の病院と大きく異なるのは、医療の提供以外にも、研究開発や業務改善なども求められていることです。小児・周産期医療の先駆者としての使命が課せられています。

働く環境:小児・周産期医療のスペシャリストになるための環境が充実

新卒採用の場合は、2年間の研修期間を設けたレジデント制度を採用しており、マンツーマンでのサポートを受けながら調剤業務、注射業務などの基本的なセントラルの業務はもちろん、病棟業務などを学びます。研修終了時には学会発表を行い、職員の補充状況によって約半数程度がその後正式な採用となります。

中途採用の場合は、入局後2、3ヵ月はセントラルの業務が中心となり、その後は病棟業務などを行います。当院の場合は薬剤の細かな調整が必要なことから、セントラルの業務が多くなるものの、病棟業務などにも多くの時間を割いており、小児・周産期医療のスペシャリストとして成長できる環境が整っています。

研修スケジュール(国立成育医療研究センターホームページより筆者が作成)

キャリアモデル:薬剤師レジデント採用(2年課程)→(3年目)本採用→(4年目)小児薬物療法認定薬剤師→(5年目)レジデント指導者→(8年目)主任試験合格

山谷先生「入局後は、小児薬物療法認定薬剤師や妊婦・授乳婦薬物療法認定薬剤師、専門薬剤師を取得する職員が多くいますね。その他にも感染制御専門薬剤師や、栄養サポート専門薬剤師を取得する職員、研究の道に進む職員もおり、薬剤部ではそれぞれの興味・関心に合わせたキャリアのサポートを行っています。」

教育制度としては、医療安全や感染・制御の研修など必須で受ける研修の他、カンファレンスや勉強会と名のつく研修が多数あり、自由に参加することができます。また、国立病院機構や他の国立高度専門医療研究センターと人事交流を行っていることから、薬剤部同士で薬剤師会を構成しており、その中でも臨床研究や安全管理、新人研修や中間管理職研修など多彩な研修が設けられています。

<1日の業務の流れ>

8:30~9:00 病棟カンファランス
9:00~11:00 新入院患者確認、診療情報提供書記載、持参薬確認・入力、投薬前指導
11:00~12:00 入院患者の投薬・注射等の確認
12:00~13:00 調剤室業務
13:00~14:00 昼食
14:00~15:00 注射薬混注
15:00~16:00 薬剤管理指導
16:00~17:00 薬剤管理指導記録記載
17:00~17:15 病棟日誌記載

採用のポイント:人に対する接し方とロジカルシンキング

新卒採用の場合、筆記試験・小論文の提出と面接試験があります。昨年度の実績では2名の採用枠に対して応募者が12名でした。2020年春の採用からは採用枠が3名となります。
面接では志望動機や入局後の夢はもちろん、薬剤師になった理由ついても質問しています。また過去の成功体験や自分が感じている長所や短所、それに対する他者評価についても聞いていると言います。その他には、コミュニケーション能力を図るために、会話のキャッチボールが適切にできるか、ロジカルシンキングができているかについても問われます。

山谷先生「小児・周産期に特化した病院なので、患者さんに対して『やさしさ』を持って接することができるかは特に重要な要素です。また、人に対して明るく接することができるか、話し方が明瞭かどうかも見ています。」

そして当院は医療の提供の他に研究・開発も行っていくことから、物事を完遂していくためのチャレンジ精神についても問われるそうです。これは中途採用でも同様。中途採用の場合は経験者のみ採用の対象となり、小児病棟での経験などを問われます。面接に関しては新卒採用に共通する部分が多くあります。

 

小児の薬物動態の解明と小児用薬剤の普及を目指す

小児・産科医療の日本における最後の砦を守っている当院。今後は特に、小児の薬物動態について力を入れていくそうです。

山谷先生「小児医療というのは、まだ解明されていないことが多くあります。ですから、薬物動態などについて力を入れ、答えを導き出していくと同時に、本分野に精通した薬剤師を育てていきたいと考えています。」

また、小児薬剤の剤形の問題について取り組むことも視野に入れていると言います。現在、多くの薬剤において、小児の服用しやすい剤形が開発されておらず、薬剤師が患者さんの体重などに応じた用量に加工することも少なくありません。子ども達にとって、決して飲みやすい剤形とはいえず、服薬に対するストレスを感じているお子さまや保護者も少なくないそうです。

そのため、現場の負担軽減や患者さんやその家族の負担軽減を目的に、小児用薬剤の普及に向けて、製薬企業へのサポート並びに働きかけを積極的に行っていくことを考えています。その他にも小児用薬剤に付随するアイテムの実用化も視野に入れていると言います。

山谷先生:「子供の医薬品の誤飲防止のための『チャイルドレジスタンスパッケージ』の開発にも力を入れていきたいですね。これは前薬剤部部長の代から構想していたものです。現在はまだ試作段階ですが、実用化に向けてプロジェクトを進めていきます。」

コンサルタントの“目線”

ファーマキャリアコンサルタントの久島です。
国立成育医療研究センターは国立研究開発法人ということもあり、毎年、管轄の厚生労働省より、病院全体の施策について評価されるため、現場では日々、様々な施策の確立と実行、見直しなどが行われています。医療の提供だけでなく、研究や開発、業務オペレーションの改善なども実行していく必要があることから、答えの出ていない課題に対してチャレンジ精神を持って完遂していくことが求められる環境です。小児・周産期に関する高度な医療そのものだけでなく、業務や仕組みの改善も積極的に行っていきたいという方にとっては、魅力的な職場でしょう。また、職場環境という中で重要なのは「人間関係」だと思いますが、取材をさせていただく中で感じたのは、薬剤部の方同士の仲の良さでした。同年代の方が多いということもあり、取材中は楽しそうな笑い声をたくさん聞くことができました。
そして、薬剤部部長の山谷先生のやさしいお人柄とユーモアのある対応もとても魅力的。取材陣一同、終始充実した時間を過ごすことできました。
やはり小児・周産期医療のスペシャリストが育つ場所。選ばれし方々が集まっていると感じざるをえない職場でした。

国立成育医療研究センターのデータ

●国立研究開発法人「国立成育医療研究センター」
●所在地 〒157-8535 東京都世田谷区大蔵2-10-1
●創立 2002年 国立小児病院・国立大蔵病院を統合し、国立成育医療研究センター開設
●病床数 490床
●従業員数 1383人(薬剤師46人)
●平均年齢 37歳
●男女比 男性1:女性3
●採用実績校 昭和薬科大学、明治薬科大学、昭和大学、北里大学、慶應義塾大学、東京薬科大学、大阪大学、東北大学など

(2019年10月現在)